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文化庁主催「文化芸術による子供の育成事業」 ~ 能楽 体験プログラム ~

2018/2/6

山本能楽堂より観世流能楽師シテ方の 林本 大 様を始め、6名の能楽師の方々にお越しいただき、1年進学アカデミアコースの生徒たちに向けて、特別講義をしていただきました。オープニングでは、いきなり「能楽」の演舞から始まり、生徒たちは面を食らった様子で拍手をするタイミングをつかむことにすら、どぎまぎしている感じでした。そのようなサプライズ演舞で幕を開けた後、林本様より「能楽の歴史」についてのお話をしていただきました。

もともと「五穀豊穣」「国土安穏」を願って「謡」や「舞」を踊る「田楽」が能の発祥であること、豊臣秀吉の影響によって武士が能楽を楽しむようになり、能楽師たちは命懸けで舞っていたこと、小鼓の皮の張り具合で微妙に音色が変わることが「紙一重」という言葉の語源になったことなど、生徒の目線になって分りやすくお話をしてくださったおかげで、生徒たちは一気に「能楽の世界」へと引き込まれていきました。

後半は、五人囃子の紹介や楽器の説明を受けました。能楽に使われる楽器が一人前だと言われるのに必要な年月は、なんと200年!!本日お持ちいただいた「笛」は、まだ150年だそうで「一人前」ではないそうです。およそ700年続く「能楽」の世界の奥深さを感じることができました。

その後、大鼓・小鼓・笛の演奏方法を、生徒たちに直接ご指導いただきました。実際にやってみると笛はまったく音が鳴らなかったり、大鼓を叩くととてつもなく指が痛くなったりと、本物を触らせていただくことで分かることが多くありました。

さらに、能楽の衣装を紹介していただくコーナーでは、15組担任の柴田先生がサプライズ登場!能面を付けて、本物の女形の衣装を着させてもらった柴田先生も、めったにできない体験ができたと喜んでおりました。

能楽師の方々の問い掛けや説明にうなずいたり、笑ったり、驚いたりと、生徒たちはとてもいい表情で講義に臨むことができ、あっと言う間の2時間でした。

最後に、林本様から「君たちはまだまだ若いので、好き嫌いだけで物事を判断してほしくない。この国に住んでいる以上、この国のことを知るのはごくごく当たり前のことなんだよ」とお話しくださったことがとても印象的でした。

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